『お兄ちゃん コントロール悪いなあ。  フリーバッティングの練習やのに ストライク全然はいらへん。。。

 

くそボールばっかりやなあ。。。』

 

「よーし  休憩にしよかー」

 

夏休みの日曜日の午前中、ソフトボールの練習。  けたたましいセミの鳴き声をかき消すように 監督の声が響く。

 

1.5リットル象印ステンレス魔法瓶。 麦茶の中の氷がカラカラと音をたてる。 二人でひとつの魔法瓶。 いつも2歳年上のお兄ちゃんが先に飲む。

 

飲み終わるとすぐに、 「バッタ捕まえにいこうぜ」 と お兄ちゃん。

 

休憩時間中にバッタを捕まえて コールドスプレーやエアーサロンパスをまぶす。  残酷だなあ。

 

お兄ちゃんは 子供会弱小ソフトボールチームの エースでキャプテンで4番。  元気で明るい。

 

僕は、 塗り絵をしたり 本を読んだりするのが好きなので、、、 お兄ちゃんとはちょっと違うかなあ。。。

 

いつも比べられるけど、、、 負けたくない‼

 

お兄ちゃんが行くなら、僕も行く‼

 

お兄ちゃんが2個食べるなら、僕も2個食べる‼

 

お兄ちゃんがサッカー上手なら、 僕だってできる‼

 

 

 

それはそれは遠い昔??  約30年前。  バブル景気真っただ中の頃。

子供心に、、、 国中が元気で、家族仲良く、活気にあふれていた。  かな。。。

 

まだまだあらゆるものの規制がゆるく、右肩上がり。   小学生の頃、たった30年ほど前。。。

 

父親の運転する日産サニーに乗って、家族で買い物。

家族そろって手巻きずし。  シーチキン、たまご焼、きゅうり、お刺身。。。

 

千代の富士が強かったなあ。。。

 

 

父と母が必死に働き、育ててくれた。  おそらくは、、、標準的日本家族の物語。

 

 

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