ややこしいこととめんどくさいことが好きではない。
確定申告さんは、ややこしい上に、スーパーめんどくさいのである。
今日は万引き家族。
映画館は、年寄りばかり。
歩くスピードも、一般常識も、一般教養も。
おそろしいレベル。。
戦慄。
年寄りしかいない。。
年はとりたくない。。
姫路の超有名店。
肉飯セット。
久しぶりに食べました。
かなりおいしい。
こってりとしていて、それでいてあっさりとしている。
昔、と言っても10年くらい前、映画鑑賞の好きな女性がいた。
その女性は目鼻立ちがくっきりしていて、フランス人のような容姿で、髪の毛は2センチくらいでしかもピンク色だった。
僕たちは映画館にほど近いコーヒーショップで、今からみる映画について話すのではなく、今からみる映画の座席について、熱く議論を交わしていた。
いや、もっと正確に言おう。
僕だけが熱く、お願いをしていたのだ。
僕だけが熱く熱く、懇願していたのだ。
「君の言っていることは、よくわかるよ。
でもね、、
せっかく時間を合わせて、一緒の映画を一緒のスクリーンで見るんだ。
ぼくは、君の隣の席で映画をみて、終わったあとに、30分でいいから、感想を話しあいたいんだ。
もう一度言うよ。
せっかく時間を合わせて一緒の映画を一緒のスクリーンで見るんだ。
2人並んで、隣の席で見ようよ。
それにね、この映画をみたいって言ったのは、君のほうなんだよ。」
僕は彼女を見つめ、必死に食い下がった。
彼女はうつむいて静かに首を振る。
大きな輪っかのピアスがキラキラ光って、耳から落ちるんじゃないかと心配になった。
「映画ってね、1人の世界で、ひとりで向き合って、一人で見るものなのよ。
あなたのとなりで見たくないって、言ってるんじゃないの。
私は、誰の隣であっても 嫌なの。
今までもそうだし、これからもきっとそう。
映画って、ひとりでみるものなのよ。
どうしても隣の席で見たいって言うのなら、、
ごめんなさい。今日は私もう帰るわ。」
彼女はそう言って、本当に帰るそぶりを見せる。
彼女との短い付き合いのなかで、それが演技ではなく本気であることは容易にわかった。
ここで僕が折れなかったら、彼女は100%帰っていただろう。
「オーケー、わかったよ。
僕は映画館の一番後ろの一番端の座席で見る。
君は好きな座席で見ればいい。
そして、映画が終わって気が向いたらお互いの感想を話しあおうよ。
これでいいかい?」
彼女は小さくうなずく。
僕は彼女の気持ちが変わらないうちに、テキパキと会計を済ませて2人で映画館に向かった。
僕は劇場の右端の一番後ろの座席。
彼女は真ん中の左寄りの座席に座った。
映画が終わり、エンドロールか流れ、少し明るくなった。
僕は心の中でゆっくりと5つ数えてから彼女の方を見た。
そこにはもう、彼女の姿はなかった。
追いかけても無駄だと、このときはっきりとわかった。