帯広、柳月さんのスティックチョコレート。
パフとピーナッツがぎっしり。
パッケージのデザインがすごくいいです。
色も絵も形も素敵なパッケージ。
北海道のポプラをイメージした作品です。
『北ポプラ』
高い青空、澄んだ空気。初夏の帯広の昼下がり。忙しいランチタイムが終わりガラガラにすいた定食屋さんでひとり豚丼を食べているような気分になりました。
小さな店内に、客は僕ひとり。
定食屋さんのこざっぱりとした品の良いおばさんがぼくに話しかける。
どうやらひとりで店を切り盛りしてるようだ。
「今日も忙しかったわ。お兄さんが最後かな。 豚肉があまりそうだからサービスするわね。 帯広には、観光?」
「ええ、北海道に3週間滞在予定で、電車で移動してます。今日は帯広に泊まる予定です。」
「あら、いいわね。これからどこかいくの?」
「いえ、特に決めてなくて。街をぶらぶら散歩でもしようかな」
「じゃあ、これでお店閉めるから、私が案内してあげるわ。おばさんと一緒じゃいやかな?」
「そんなことないですよ。是非。観光案内お願いします。」
その店の豚丼の味はよく覚えていない。
その女店主はどうやらお店の2階で生活しているようで、支度するため2階へ上がっていった。どこか楽しそうで、常に笑顔を絶やさない。
僕は誰もいない店内でおばさんの支度を待った。
じっとしていても、じんわりと汗ばんでくる。20分、いや、30分ほど経った頃だろうか、女店主が貴婦人となってぼくの前に現れた。
「遅くなってごめんなさい、さあ、行きましょう!」と、さりげなく僕の体に触れる。
綺麗にまとめられた綺麗な髪から、ラベンダーの香りがした。
ぼくはそのラベンダーの香りと帯広の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込み、これから起こるであろう物語が、素敵なものになればいい、と思いながら外に出た。
飛行機雲が2本、青空で交差していた。